リベンジ！～大変身は恋の始まり！？～

鬼のインストラクター

「背筋って言っても背中には多くの筋肉が存在するんだ。肩甲骨周りも合わせると細かく分別すれば２０個以上の名称がある」

と、インストラクターらしく事細かに説明が始まった。

「背筋をつけると背中が引き締まってスッキリするだけじゃなくて、背中の筋肉がお腹の筋肉を引っぱって、腹筋を活躍させる。分かるか？つまり相乗効果だ」

「…う、うん」

「それから脊柱を正しい位置に保つと、綺麗な姿勢にもなる。呼吸も深くなるし、代謝の効率も上がる。真琴みたいな猫背な奴は内蔵圧迫からも解放されるし、消化機能を促すことにも繋がる」

「はい…」

長々と熱弁する健太。

こいつは本当にインストラクターなんだなぁなんてぼんやりとその姿を見ていると、いきなりおでこをペシッと叩かれた。

「人の話聞いてんのか？」

「き、聞いてるよ！」

「だから、早い話が真琴みたいな究極のデブは背筋から鍛えた方が身体にも負担がかからないし代謝が上がりやすくなるってことだ」

究極のデブ……ですか。
まぁ、93キロだしね。反論しようもない。

「分かった…」

だからとりあえず、健太に言われるがまま頷くしかなかった。