あの男が現れました

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あの男が現れました

「はぁっ、はぁっ…」 激しく切れる息と、うるさいくらいに響いてくる心臓の鼓動。 それから…異常なほどに流れ狂う汗。 一時間のウォーキングを終えた私は、マシンが止まるとすぐにそこから降りて地に足をつけた。 だけどずっとマシンの上にいたからなのか、異様な違和感が足全体を包んでいる。 「はぁっ、はぁっ…」 なかなかおさまらない息切れ。 若干フラフラになりながらも、私は目に止まった休憩スペースの椅子に腰掛けた。 一時間ノンストップで歩くだけで正直こんなにも疲れるなんて思わなかった。 ウォーキングだけで弱音を吐きそうだなんて、普段から動いていない証拠だ。
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