あの男が現れました

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結局それから、マシーンを使った背筋トレーニングを約40分させられて、マットの上で行う背筋のストレッチ運動も、30分ずつ二種類もやらされた。 そして最後の最後には、またウォーキングマシンで40分間歩かされるというハード過ぎるトレーニングでようやく初日を終えることができたけど。 体は本当にヘトヘト。 「あのさぁ、最初っからやり過ぎじゃない?こんなもんなの?」 だからつい、健太に対して不機嫌な口調になってしまった。 「ははっ、お前が太り過ぎてるからそう思うだけだよ。体が軽くなってきたら感覚も変わる、心配するな」 なのに健太は私の言葉を笑い飛ばしてポンッと背中を押してきた。 ったく…心配してるんじゃなくて、このまま続けていけるのか不安なんだってば。 「あ、そうそう。それから言い忘れてたけど、今日から食事管理も始めるから」 食事管理? 受付前のフロアを歩きながら健太の言葉に、思わず首を傾げた。 「真琴用のダイエットメニューのレシピ、一通りおばさんに渡して頼んでるから」 ダイエットメニュー? 「えっ、ジムに来て運動してるんだから食事管理までしなくてもよくない?」 「あのなぁ、いくらカロリー消費してても、バカみたいに食ってたら意味ないんだから。早く効果を出したいんなら摂取カロリーを抑えることも大事なの」 健太はそう言うとクスッと笑って。 「でもまぁ今日はよく頑張った。褒めてやるよ」 そう言いながら私の頭にポンッと手をのせてきた。 な、何?こいつ、いつからこんな優しい顔をするようになったわけ?…なんて思ったのはつかの間のこと。 「明日もサボんなよ?サボったらどうなるか分かってんだろうな」 頭に乗っていたその手で、いきなり頬をギュッとつねられたかと思ったら、意地悪そうな笑みを浮かべて健太は私を見下ろす。
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