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「なっ、なに笑ってんのよ」
「やっ、あははっ、真琴が女とか言うから!あははっ、超ウケる」
はぁ?今のがそんなに面白い発言?
本当…いちいち腹立たしいやつ。
「あははっ、悪い悪い。怒んなって、ごめん」
私がぷいっと目をそらすと健太は必死で笑いをこらえながら謝ってきた。
「っていうか!わざわざ昨日みたいに迎えに来てくれたのかもしれないけど、私ひとりで歩きに行けるから」
「怒んなって」
「怒ってないし!だいたいジム以外に顔合わせる必要なんてないでしょ?朝からあんたの顔見るとイライラするのよ」
ムカっとした勢いで、気づけばつい、そう口にしてしまっていた。
「……ごめん」
すると健太はすぐに顔つきが変わり。
「悪ノリし過ぎた」
申し訳なさそうな顔で私の目をジッと見てきた。
だけど、一度キツイ言葉を口にしてしまったからには素直にその反省を受け止められなくて。
「とっ…とにかく!今日はひとりで歩きに行くから帰って。ジムには午後から行くから」
私は強気の姿勢を崩せないまま、部屋を出ていく健太の背中を見送った。
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