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女なんだから
「真琴?起きろ」
「んっ…うぅ…」
「ほら、早く起きろって」
「ん…」
まだ半分、夢の中にいたはずだった。
それなのにいきなり布団をガバッと剥がれた瞬間、私は一瞬でその夢から覚めた。
…へっ??
「ちょっ、ちょっと何であんたがいんのよ!?」
目を開けると、そこには健太がいた。
「今日から6時起床だ。とりあえず着替えて行くぞ」
「はい?」
「朝一の空腹時はジョギングの効果が出やすい。一日の代謝を上げるにもすっげーいいんだから!」
…はぁぁぁっ??
いくら幼なじみとはいえ、寝ている私の部屋に勝手に入ってきてるかと思ったら…今から走れって?
「…勘弁してよ、まだ眠いし」
「とりあえず着替えろって」
「いくらインストラクターでもジム以外では関係ないでしょ?」
「はぁ?ジム以外も時間外で見てやってんだからそこは感謝するだろ、普通!」
目覚めて早々から気分は下がる一方。
「普通の固定観念を押し付けないでほしいんだけど」
「はいはい、どうでもいいけどとにかく早く着替えろ」
それでも朝からやたらとアツい健太はなかなか引き下がってはくれず…
「分かったから!着替えるし出てってよ」
「はいはい、まぁドスコイの着替えを見たところで俺には何の影響もないけどな」
私をイライラさせることは天下一品なようだった。
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