女同士の本音

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「はっ!?23?」 「ほんとに!?」 賑やかだった店内の中で一際大きく響き渡った声により、一斉に注目を浴びる私達のテーブル。 私の目の前には気まずい顔で苦笑いをするサキとエリがいた。 年末年始の休みに入り、実家に帰ったその日、友達であるサキからいつ帰ってくるの?とタイミング良く連絡があった。 そしてもう帰ってきていることを伝えると、私の誕生日を祝えなかったこともあり、旦那さんが子供を見ていてくれるというので私達は飲みに行くことになった。 となると、エリも呼ぼう。 どちらからともなく流れはそうなり、いきなりは無理かもね、なんて話していたけれど。 二つ返事で来ると言ったエリも揃い、私達は久しぶりに三人でこうして集まっている。 「で?その年下彼氏の写メとかないの?」 「あ…るけど」 「じゃあ早く見せて!」 エリとサキは興奮気味に目の前から身を乗り出す。 「この二枚しかないんだけど…」 「貸して!」 「見せて見せて!」 差し出した携帯をすぐに奪われ、二人はその画面をじっと見始めた。 遊園地に行った時の、メリーゴーランドで撮ったあの画像。 二枚しかないけど、二人はその画像を目を細めたり、拡大したりしながらしばらく見つめていた。 そして。 「何か王子様みたいだね」 「ほんと綺麗な顔」 「こんな年下のイケメン、どうやってゲットしたわけ?」 「なかなかいないよね、こんなかっこいい子」 「っていうか何で莉奈なの?」 「そうだよ、どうして莉奈なんだろ?」 口を開けば止まらない。 失礼なことだってペラペラペラペラ話してくれちゃっている。
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