女同士の本音

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「エリとサキならどうする?もし自分なら」 二人には、友達としてじゃなく一人の女としての意見を聞きたかった。 私のことは関係なく、エリとサキならどうするか、それを聞いてみたかった。 「私は……その新しい彼氏とそのまま付き合うかな」 そう言って先に口を開いたのはサキだった。 「だってさ、人生一回きりじゃん?」 「うん」 「それなら色々面倒なことがあったとしても年下とか関係なく好きな人と一緒にいたいと思うかな、私なら」 「うん…そうだね…」 「だっていつか後悔しそうじゃない?」 サキは、人生一回きりしかないなら、好きな人と一緒にいたいと言った。 私もその気持ちがあるし、サキと同じようなことを思う。 「でも、私なら元カレを選ぶかも」 だけど続くエリの言葉に、その心がまた揺れだしていく。 「やっぱさ、29って年齢がネックなんだよね。30までのカウントダウンが始まってるでしょ?でもその新しい彼氏と結婚できるかなんて分かんないじゃん?付き合っていくうちに性格の不一致とか浮気とか?そういうのでまた別れちゃったとしたら、その時にはもう誰もいないかもしれないじゃん?」 確かにそれも考える。 不安な気持ちは完全に消えてはいない。 「だったらだよ?それが、もしかしたら人生で最後のプロポーズになるかもしれないってことでしょ?」 「…確かにそうだね」 人生最後のプロポーズになるかもしれない。 エリはそう言った。 こうして意見が分かれると、混乱する。 せめて二人の意見が同じなら、どちらかに傾けたかもしれないのに。
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