女同士の本音

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「だから私はプロポーズを受けたわけなんだけど、不思議なことに…50%の好きで結婚を決めた気持ちが、結婚式の準備をしていくうちにどんどん増えていってて」 エリはそう言うと、何かを思い出したようにクスッと笑う。 「普通は結婚式の準備って喧嘩になるとか言うじゃん?」 「うん」 「私はすっごい喧嘩したなー」 「サキそうだったんだ?でも私達、全然喧嘩とかにならなくてさ。プロフィールビデオとか作ってると楽しくて。それまで知らないことが一つずつ分かっていくにつれて、この人で良かったって思うようになって」 エリは、すごく幸せそうな顔をしていた。 綺麗だと思った。 羨ましかった。 迷いなんてもうない。 表情を見ていると、それが分かった。 「いいなー、私はできちゃった結婚だったから。プロポーズって本当に羨ましいよ」 ふと呟くようにサキがそんなことを言った。 「え?プロポーズなかったっけ?」 エリが聞き返すと、サキは苦笑いを浮かべ話しだす。 「うーん…あったというかなかったというか。生理が遅れています、検査薬します、陽性反応でました、病院でも確定しました、どうする?じゃあ結婚しようか、うん、じゃあ結婚しよう。みたいな?」     
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