女同士の本音

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「そうだったんだ」 「でも一応プロポーズじゃない?結婚しようってさ」 「うーん…そうなのかな?だって結婚せざるをえない状態だったじゃん?結局ユウトができたから結婚したようなものだよ私達は」 サキはそう言うと、ジョッキに入っていたビールを飲みほした。 「でもさ、それでも今が幸せなんだからいいじゃん」 「えっ?」 サキを見ながら、私は思いのままを口にした。 「旦那さんは優しいし、ユウト君は可愛いし。サキ幸せそうだもん」 結婚してからサキは独身時代よりも少しだけ体の線が丸くなった。 化粧も薄くなったし、あまり自分を着飾らなくなった。 だけど、会うたびいつも幸せそうな顔で笑う。 家庭が幸せで満たされているんだと思う。 「うん…まぁ、そう言われたら幸せなんだけどね。ユウトが生まれてきてくれたことが、私達の一番の幸せかもしれない」 照れくさそうに笑うサキを見ていると、やっぱり私も結婚したくなった。 サキみたいに子供を産んで、その一番の幸せってやつを感じてみたくなる。 結婚したい。 好きな人としたい。 椎名としたい。 それは…叶うのかな?
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