最後の恋

家族になるということ

「はぁっ…」

なんだかため息ばかりがこぼれていた。
モヤモヤする胸の中は一向に晴れる気配がない。

それでもなんとか気持ちを切り替えた私は家族が集まるリビングに戻った。

夜は、年越しそばを食べながらみんなでテレビを見ていた。

今まではなんとも思わなかった年末のこの光景。

だけど、お父さんがいてお母さんがいて。
お兄ちゃんがいて私がいて。

ずっと四人だったはずなのに、お兄ちゃんが結婚したら五人になり、甥っ子が生まれたら六人になり、姪っ子が生まれたら七人になった。

不思議だね。
家族が増えていくって。

結婚って、そういうことなんだよね。

賑やかな家族団らんを横目に再び部屋へと戻った私はバタンと倒れるこむようにベッドに体を沈めた。

結婚…かぁ。