初詣の願い事

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離れていた時間を埋めるように、私達はその夜一晩中ずっとくっついて眠った。 心も体も安心できたせいか、久しぶりにぐっすり寝れたような気がする。 翌朝も目が覚めると、まだ眠っている椎名の寝顔を見て、ただただ幸せな気持ちになっていた。 好きだよ、椎名。 一ミリの隙間もないくらい椎名にピタッと寄り添うと、私はゆっくりと目を閉じた。 幸せ。本当に今が幸せ。 これ以上望んだらバチがあたる。 欲張りになっちゃダメだ。 これ以上、多くを欲しがったらいけない。 「莉奈さん…」 目を覚ました椎名は、寝ぼけながら私をギュッと抱きしめる。 「おはよう」 「うーん…おはよ」 寝起きの可愛いすぎる声。 こんなの反則だ。 そりゃモテるよ…この可愛い顔でその甘えた声だと。
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