鳴らない電話

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「莉奈と付き合ってた時間が一番楽しかったから、かな」 さっきのサトルの言葉を思い出すと、胸がキュッと痛くなる。 別れ方はあんなに最悪だったのに。 サトルと付き合っていた三年間、馴れ合いからマンネリにもなっていたけど…楽しかった思い出がたくさんある。 思い出せば笑っていたことの方が多かった。 一緒にいるとラクだった。 浮気をされたことも、他の女に乗り換えられたことも許せるわけじゃない。 だけど、あれがあったから…今があるんだよね。 あれがあって…離れたから…サトルは私にプロポーズしてくれたんだ。 プロポーズの理由を聞いておいて良かったと思った。 でも、してくれるのならもっと早い方が良かったな…。 できることならその言葉は、付き合っていた頃に聞きたかった。
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