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結局、翌日になっても熱は下がらず仕事はまた休みをもらった。
椎名からはまだ、何も連絡はないままだった。
会社にいるであろう時間は避け、仕事が終わった頃を見計らい電話を三回かけた。
だけど今日もまた、出てはくれない。
焦りばかりが募っていく。
私だって聞きたいことがある。どうしてあの日、早川さんと一緒にいたのか。
ずっと気になってるんだ…。
【携帯見てくれてるよね?お願い、話がしたいの。連絡ちょうだい】
再び送信したメッセージ。
だけどそれも、呆気なくスルーされた。
電話に出なかったり居留守を使った私が言えるような立場じゃないけれど、男のくせに逃げてるみたいだ。
電話が嫌ならせめて返信くらいはしてくれたらいいのに。
二日休み、やっと熱も下がった朝。
仕事に向かう電車の中、窓から見える景色を見つめながら私はある決意を固めていた。
プライベートを会社には持ち込みたくないけれど…
このまま電話も出てくれないなら、自分から動くしかない。
昼休み、営業部をのぞこう。
それで面と向かって…素直に言おう。
ちゃんと話したいって、素直に伝えるんだ。
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