全てはゲーム

9/14
前へ
/353ページ
次へ
泣き腫らした目で会社に戻ると、誰もが驚いた顔をしていた。 仕事なんて手につかなかった。 落ち込むどころじゃない。 抜け殻のようだった。 ただの失恋じゃない。 もしかしたら、サトルと別れた時よりもショックかもしれない。 短い付き合いだったとはいえ、始めっから全てがウソ、ゲームだったなんて…いくらなんでもひどすぎる。 真実なんてなかった。 何ひとつなかったんだ… 気を抜いたら、仕事中でも涙がこぼれそうだった。 危ないと思ったら必死で上を向き、涙を止めた。 だけど、帰りの電車の中では我慢できずに泣いてしまった。 かっこ悪い。 情けない。 バカみたい。 バカだよ…本当にバカだ。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1517人が本棚に入れています
本棚に追加