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「本当に一生……そばにいてくれるの?」
「へっ?えっ?あっ…」
私が聞くとサトルは驚いた声をあげ、言葉を詰まらせた。
だけどすぐに、真っ直ぐ私の目を見ながら言ってくれた。
「約束する。ずっと…そばにいる」
「本当に本当?」
「このシチュエーションでウソつくわけねーじゃん」
サトルはそう言って優しい目をしながら笑った。
「…だよね。じゃあ…結婚しようかな」
「えっ!?結婚!?」
「何?したいんじゃなかったの?」
「えっ、あっ、し、したいです!します!して下さい!」
驚いた顔と、訳わかんない敬語。
そんなサトルの姿に私はクスッと笑いながら指輪ケースを開いた。
えっ……
「わ!雪じゃん」
その時だった。
突然ヒラヒラと雪が降り出してきて。
舞い落ちてくる空からの雪を見上げると、ふと椎名のことが頭に浮かんだ。
「すごくね?結婚が決まった瞬間降ってくるなんて」
「うん…」
「神様からのプレゼントみたいだな」
「…そうだね」
そう答えながら、私はただ雪の降る空を見上げていた。
ねぇ椎名。
私、結婚するよ?
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