切ない痛み

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「あれ?松永さん?」 気持ちを切り替えながら、立ち上がろうとした時だった。 「あ!やっぱり松永さんだ。お疲れ様です」 そう言いながらこちらに近付いてきた見覚えのある顔に、なんだか私はつい警戒してしまっていた。 「お疲れ様…」 無愛想とまではいかないけれど、淡々と と短く言葉を返した私。 「何してるんですか?こんなところで。待ち合わせとかですか?」 だけど彼、桐谷君はそんなのお構いなしにそう言いながら私の隣にしれっと腰掛けた。 営業部の人間とは、できればもうかかわりたくないのが本音。 早く忘れてしまいたいあのことを…また思い出してしまうからだ。 「さっ、佐倉さんは大丈夫なの?」 「えっ?あぁ、もう大丈夫みたいです。熱も下がったらしいですし」 「そう…良かった」 隣に座られても、間がもたない。 そもそも何でここに座ったの?桐谷君…
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