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「でも…信じてもらえなきゃ疲れますよね。いつになったらこれが終わるんだろうって」
「まぁね…」
良い答えが見つからなかった。
二人の問題なのだから、そもそも私が首を突っ込むことでもないし。
これからどうなるにしても、佐倉さんと桐谷君ふたりの付き合いなのだから。
「ひとつ聞いてもいいですか?」
「ん?」
「松永さんは、どうして椎名じゃダメだったんですか?」
「えっ?」
どうして?
「どうしてって聞かれても…」
桐谷君だって知ってるんでしょ?
営業部のみんなで賭けゲームしてたんだよね?
「あいつ、松永さんとのこと、俺だけには付き合い始めた時から話してくれてたんです」
「えっ?」
「まぁ、そもそもずっと、入社した頃から俺は相談とか聞かされてたんすけどね」
桐谷君の言葉に、何だか訳がわからなくなっていく。
「だから12月に六人で食事行った時も、すっげー緊張して一人でから回ってて。大丈夫か?こいつって心配だったんですけど。でも、椎名から誰にも言わないでくれって言われて、松永さんと付き合えた話を聞いた時は本当にびっくりしたけど…マジで嬉しかったんです」
何?どういうこと?
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