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「松永さん…それ聞いて本当にあいつがそんな賭けをしてたと思ってたんですか?」
「だっ、だって……大原くんだって五万円損したとか言ってたことがあったし」
「あぁ、確かに…本当にふたりが付き合ってるって噂が流れた時には、先輩たちから賭けは賭けだし負けたからにはって、無理やりお金は渡されてましたけど」
「……うん」
「先輩たちには俺からすぐに返しましたよ?あいつに頼まれて」
何も言えなかった。
言葉が見つからなかった。
あれがウソだったの?
何が本当で何がウソなの?
「っていうか、俺にはあいつ…フラれたって言ってましたけどね」
「えっ?」
「松永さんが前に付き合ってた人からプロポーズされたから、フラれたわーって。そう…言ってました」
「……そう…なんだ」
「松永さん、ご結婚されるんですよね?」
「えっ……や…するっていうか…」
「多分結婚するんちゃうかなって…あいつは言ってました。だから俺は諦めるねんって」
次々と明らかになっていく真実が、胸を切なく締め付けていく。
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