母の気付き

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夜は、予約してくれていた魚千で、豪華な海鮮のコース料理を食べた。 「お祝い事だからパーッといこう」 お父さんとお兄ちゃんは、帰りは私に運転させればいいからとサトルに次々とビールをお酌し、店を出る頃には私とお母さん以外は完全に酔っ払いの顔が出来上がってしまっていた。 「今日は本当にありがとうございました」 「いや、楽しかったよ。こちらこそありがとう」 「また連絡させてもらいますね、お母さんとさっき携帯番号も交換させてもらったんで」 「何だ、お母さんだけか。俺とはしないのか」 「ふふっ、もうお父さん、後で教えてあげるわよ」 帰り際はとても良い雰囲気だった。 「じゃあ、行くね。サトル置いてくよ!?」 運転席からサトルにそう言うと、酔っ払いのサトルが慌てて助手席に乗り込んだ。 「じゃあまた」 「気をつけて帰るのよ」 はーい、と返事をした私は、手を振るお母さん達に見送られながら夜道を走りだした。
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