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「……あの瑞季さん」
不意に絵梨花さんが黒川さんに話しかけました。
「ん、なに？」
「今、おじいちゃんの後ろの方に変な感じがしませんでしたか？ 瑞季さんも微妙にお祖父ちゃんの後ろの方を見てましたよね」
絵梨花さんにとっては自分の旦那さんの祖父にあたるので、おじいちゃんです。
そういわれてみれば、地元の議員さんというよりも絵梨花さんの結婚式で見ていたような気がしました。
僕は絵梨花さんの言っていることの意味が全くわかりませんでしたが、黒川さんはニンマリ笑いました。
「ああ、えっちゃんも悪念の霧を感じたんだ、前の事件の時もそうだったけど、そういうことに鋭敏になってるのかな」
悪念の霧、今度こそ全く意味のわからない単語が出てきました。
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