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「何でこんな話をしたのかというと、当真さんが二十年前に失踪して、それでこの話は長らく進展しなかったんだけど」
高遠さんの話ではそもそも行政はあらかたの危険な心霊スポットの調査を終えているので、本来は新たな管理心霊スポットが登録されるということはよほどのことがなければあり得ないことのようでした。
「けどね、二年前に強烈な心霊スポットが見つかってね、そこが七番目の管理心霊スポットに登録されたんだ」
高遠さんは詳しいことはもちろん話しませんでしたが、どうも山を切り開いて新道を通すときの工事で偶然そのテラースポットは見つかってしまったようでした。
そして、それ以上に社長の言葉にはもっと重要な単語が含まれていました。
「二年前に七番目が……」
「そう、だから今揃ってるんだ、あの当真さんが思い描いていた強力な心霊スポット群、『七不思議』が……」
高遠社長はつぶやきました。
「だから、君達はこれ以上この案件に関わってはいけない、もちろん何の情報もこれ以上は話さない、意味は分かるね」
「……はい」
「最近、七不思議の心霊スポットで君達のことだけでなく、色々と動きがあったよね。このことが単なる偶然で私の懸念が杞憂であることを願いたいね……」
強い口調で話す高遠さんは何か視えない大きな悪意が進んでいるのではないかと恐れているように思えました。
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