エピソード25 心霊相談のできる喫茶店

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「ええ、もう本当に従業員には手を焼きますよ」 聞こえていたのかマスターが笑いながら答えました、というかそこ一番の苦労どころなの、こんなかわいくて利発そうな店員さんなのにと思ってしまいました。 そして、僕は本来の目的の心霊相談をしようと思ったのですが、いきなり心霊の相談事を切り出すのも悪いと思い、僕は取り敢えず何か注文しようとメニューを開きました。 するとその中に一つ手書きで書かれたものを見つけました。 『気まぐれ沙希ちゃんのおまかせパスタ……600円』 僕は非常に気になったので、マスターに尋ねてみました。 しかし、その質問を聞いて店員の女の子が代わりに答え始めました。 「これはですねえ、私がその日の気分で冷蔵庫の中身と相談して作る日替わりパスタですよ」 ああ、なるほどこの店員さんが『沙希ちゃん』なんだと納得しながら、同時にこれは地雷メニューなんじゃないかと訝しい思いが出てきました。 しかし、僕の思いを代弁するかのように藍さんが声をあげました。
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