エピソード25 心霊相談のできる喫茶店

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「ちょっとお、マスターみたいなプロが調理するパスタならわかるけど、あんたみたいな素人の料理になんで600円も払わないといけないのよ」 僕が以前奢ったお寿司はたしかその十倍以上の値段でしたが、自分がお金を払うときはその値段がいたく気になるようでした。 「私ならおんなじ有り合わせで作っても、三分の一以下の材料費で作れるわよ」 藍さんは自炊でよくパスタを作っているようなので、どうにも納得がいかないようでした。 「言いましたね、店長、うちの店が侮辱されてますよ!」 「大丈夫だ倉科、主にお前ひとりが非難されてる」 「あ、あれえ、わ、わかりました、そんなに言うなら……」 マスターが倉科と呼んだ女の子は力を込めて藍さんに挑もうとしていました。 「あなたがパスタを作ってみるですよ!」 あれ、聞き間違いかな、こういう場合って倉科さんがパスタを作る場面じゃないのかなと思いながら状況を整理しようと努めました。 「いいわよ、お金はないけど、売られた喧嘩は買う主義よ!」 お金に関係なくできれば買わないでほしいと思うのですが、藍さんの性格からもう何を言っても無駄なのかなあと早々に諦めました。 マスターの方を見ると僕と同様に頭を抱えて諦めているようでした。 なるほど従業員の管理って大変だと思いました。
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