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「はい、じゃあ、食べてみてよ」
藍さんは四人分のパスタをそれぞれお皿に盛りつけました。
「ふふん、こんなぱぱっと作って、馬鹿にしてるんですか、言っときますけど、勝負は私がおいしいって言わなかったらあなたの負けですからね」
ということは、倉科さんがわざとまずいと言ってしまえば良いわけで、どんな料理を作っても最初から藍さんの勝ちはなかったことになります。
「えっ、な、なにそれ、卑怯じゃない!」
「わはは、この世の中はルールを作るものが勝つようにできてるんですよ、いい社会勉強になりましたね!」
そう言い放つと、倉科さんは藍さんのパスタを一口ぱくつきました。
「うんま、これ、うんま!」
口の中をもぐもぐさせながら、倉科さんは絶叫しました。
と同時にしまったという表情をしましたが、フォークが止まらないのか黙々と食べ続けました。
そして、僕達が呆気に取られて見つめているなか食べ終わるとフォークを皿の上にゆっくりと置きました。
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