エピソード22 オカルト麻雀

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「あっ、瑞季さんわたしも食べたいです、でも辛そうだから一口だけ」 そう言って黒川さんが口を付けていた竹レンゲでひとすくいだけ麻婆豆腐を取っていきました。 呆然と眺めていましたが、返してというわけにもいかず、うまうまと恍惚の表情で竹レンゲを味わっている絵梨花さんにこの人は根っからの変態だなあと感じると同時に僕も変態の仲間入りを認識してしまった瞬間でした。 仕様がないので僕は残った麻婆麺の方で間接キスを少しでもと思い、一口麺をすすったのですが次の瞬間辛いというより痛い感覚が僕の喉を襲いました。 しかし、麺を吐き出しながら咳込んでしまうと気持ち悪がられて折角の間接キスの機会の麻婆麺を取り上げられる可能性があったので渾身の力で我慢しました。 そういえば勢いとはいえなんで激辛料理は慣れていないと思っていた僕が激辛麻婆麺を平らげようとしているのでしょうか。
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