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あれは誰の誕生日だったか、 広いお家でパーティーをしていた。 子供がたくさんいる中で私と琉が一番年上で、 大人たちがお喋りしている時は小さい友達を遊ばせるのが役目だった。 「お姉ちゃん、 かくれんぼして」 誰かにそうせがまれ、 年下の子達と隠れんぼをした。 何度もやっている間に琉は飽きてしまって、 自分だけどこかに行ってしまった。 狡いと思ったけど私は皆と遊び続け、 やがてこちらが隠れる番になった。 薔薇のある温室の一角に私は入り込んだ。 そこでしばらく待ったが誰も探しに来ない。 外に出てみようかと思ったが、 鬼になった妹の彩香が待ち構えていて見つかるかもしれない。
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