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ヒロト君は出ていく時に深々と頭を下げたが、
笑顔で応えたのは曾祖母だけだった。
帰って行く二人を追いかけ外に出る。
「ヒロト君」
「俺は駐車場にいる」
漣さんはそう言って目の前から居なくなった。
「こんな形のプロポーズになってごめんな」
照れたように彼が言った。
「ううん、
嬉しい」
「いざとなると度胸なくて、
漣についてきてもらっちまった。
カッコ悪い」
「どうして…」
「お前がいない間に考えた、
もしこのまま一生会えなかったらどうかって」
「…それで?」
ヒロト君が破顔した。
「お前が側にいる方がずっといい。
一緒にいたら、
俺は楽しい」
死ぬほど嬉しくて私の頬に涙が流れてきた。
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