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「じゃあなレイナ。
グランプリでまた会おうぜ」
金子琉がニヤリとして言った。
「…別に会えなくたっていいけど?」
「強がるなって。
俺がいなくても寂しがるなよ」
人の頭を気安く撫でようとするので、
その手を素早く避ける。
「素直じゃねーな」
「リュウ君…彩香はリュウ君がいなくなったら、
すっごく寂しい」
妹の彩香が横から入ってきたので私はそこから離れた。
すると、
遠くから眺めている瑠璃が目に入る。
彼女はまだ中学生だ。
「琉にお別れ言いなよ」
「え…でも彩香ちゃんが」
「いいからいいから」
彼女の背中を押して、
琉と彩香の間に割り込ませる。
妹がものすごい目つきでこちらを睨んだが、
構わない。
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