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学校帰りの夕方2
校舎を出ると、真っ赤な太陽の半円が街を包むようにして輝いていた。
俺は、郵便局に手紙を出す用事があったため、家と正反対の道へ歩き出す。
バス通りに出て、しばらく進むと、古風な郵便局が姿を表す。
見た目には、家とさほど変わらない小さい郵便局であり、外から来た人が初めてこの郵便局を探すと、割と苦労するらしい。一度、反対車線の歩道で、高齢の女性から郵便局の場所を聞かれたことがあるが、それだけ、こじんまりとした様相を呈しているのだ。
用事を済ませ、住宅街を通ると、小学生くらいの男の子と女の子が反対側から通り過ぎていった。夏の夕日が明るくても、すでに18時は過ぎていた。
俺は、ふと気になり、通り過ぎる二人を振り返る。だけど、そこに二人の姿はなかった。
俺はいつものコースを切り替え、もう少し近道できる道を探す。
すると、迂回する大通りよりも手前に、小さくくねった道を発見する。
ーこんなところに道なんてあったんだ
直径5メートル幅程度の狭い道、手前には地蔵が立っていた。
俺は、地蔵に軽く手を合わせ、進んでいく。
およそ50メートル進んだところで、出口が見えて来た。
ー俺は、はっとした
目の前には、「八重の木商店街」と書かれた巨大な施設があった。
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