降り止まない雨

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だから自分はいつもびしょ濡れで 最初は心配していた親も友人も自分でさえ 気にする事はなくなってしまった 他人が使う「傘」を見ながら 外から眺めたり、時に同じ「傘」に入れてもらうこともあった でもいつしかその「傘」の外に自分は居る 自分の「雨」を防ぐ「傘」はとうの昔に捨ててきてしまった 何故ならバキバキに壊れてしまっていたからだ 直したくても元が無ければどうしようもない 人それぞれにオリジナルの「傘」を持っていて それを捨ててしまったのだから だから自分は「雨」に濡れ続けることを受け入れ 他人も気にする事は無くなっていた
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