1,とどのつまり非日常

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「これは……セーフか?」  ――長い長い、木目張りの廊下だった。 「ほら急ぐぞ!」 「雨乱暴ー」 「こういうの人の子でなんて言うんだっけか、モンキー?」 「モンっ……違うヤンキー!」  もうどこからツッコめばいいかわからない二人を引っ張りながらも、俺は廊下をズカズカと進んで行く。  さっきの場所から数えて四個目、右側の扉。そこの前に立つなり俺は、二人を両手で抱えながらあいている足で勢いよく開ける。あぁ、けどなんとか今日は―― 「遅刻じゃな」 「いわけがなかろう、この阿呆」  スパンっ! 「あだぁ!」  言うが早いか、上から飛んできたのは閉じられた扇子。それは俺の脳天に見事クリーンヒットをし、じわりと耐え難い痛みを生み出してくれた。いや、本当に痛い。 「雨、お前昨日はもう遅刻しませんって言っていたはずだが?」  だいだら先生は呆れ口調で言えば、スッと目を細めて俺の事を見てきた。遅刻したのは、俺だけじゃないのに。 「いや、本業が遅くなりまして」 「こっちは本業じゃないと?」 「こっちも本業です」     
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