17歳・18

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「りーこー!」  突然後ろから、千佳が抱きついてきた。 「な、なによぉ」 「こんなところにふたりきりで、こそこそしちゃってー。もしかしてデートの約束?」  千佳が私の顔をのぞきこみ、にやにや笑っている。 「そんなんじゃないよ。付き合ってないし」 「えー? まだなのー? さっさとコクっちゃえばいいのに!」 「そ、それは……した」  そう言ったあと、あの日のことを思い出し、急に恥ずかしくなる。だけど凪は私が口走った「好き」って言葉に、いまだに何も返してくれない。もしかしてあれは凪にとって、忘れてしまいたいことなのだろうか。 「え、したの? なのに付き合ってない? もー、どういうこと?」  じれったそうにぶつぶつ言っている千佳を残し、私は歩き出す。 「やっぱり凪くん、高嶺っちに遠慮しちゃってるのかな……」  千佳の声が胸に残る。  遠くで高嶺が呼んでいる。私は千佳の手を引き「行くよ!」と言って走り出す。  空は青く晴れ渡っていて、どこまでも高く果てしなかった。
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