17歳・19

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「凪は余裕だからそんなこと言えるんだよ。寛人が言ってたよ。凪は勉強ができるって」 「そりゃあさ。俺は絶対受かって、あの家出たいから。これでも必死に勉強してるわけよ。お前らの知らないところでさ」  凪の声に高嶺も言う。 「俺だって絶対、東京行くぞ。やっぱりいろんなものを見て、いろんなことを経験してみたいからな。この町じゃ、それができない」  東京か……みんなちゃんと先のことを考えてる。だけど私は親に言われたまま、なんとなく地元に残ろうと思っていた。 「……私も行こうかなぁ、東京。ふたりが行くなら」 「え、莉子は地元で就職希望だろ? この前の進路面談で決定したって言ってたじゃないか。そんな簡単に自分の意思を変えるなよ」  高嶺が言う。もっともだ。高嶺だったらそう言うと思った。だけど私は……。
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