17歳・19

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「でもこれは知らないだろ?」  高嶺が振り返って凪を見る。 「俺が小学生の頃、莉子とキスしたこと」 「は?」  高嶺が驚いた顔をして、私たちのことを交互に見る。 「それ、本当か? 莉子」  私はあの日のことを思い出す。誰にも話していなかったこと。凪はもう、忘れてしまったのかと思っていた。  かあっと顔が熱くなり、しどろもどろに答える。 「もちろん……ほっぺに……だよ?」 「当たり前だ!」  高嶺も顔を赤くして、堤防の上から飛び降りた。 「腹立ってきたから、帰る。じゃあな!」 「あ、うん。またね」  苦笑いしながら手を振ると、高嶺はふてくされた顔をして、自転車で走り去ってしまった。
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