17歳・1

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「やっぱり自転車をこいだあとのアイスはサイコーだね!」  堤防の上に座ってアイスをかじる。私のお気に入りのソーダ味のアイス。汗ばんだ額を潮風が撫で、目の前にアイスと同じ色の海が広がる。  そんな私を見て、高嶺は静かに微笑むと、持っていたペットボトルを開けてぐいっと飲んだ。高嶺の喉元を、冷たそうなスポーツドリンクが通り過ぎていく。 「高嶺はアイス食べないの?」 「太るから」 「全然太ってないじゃん」 「俺、これでも太る体質なんだよ。ちょっと油断するとすぐ体が重くなる。走ってるとわかるんだ。ああ、食い過ぎたなって」  高嶺は真面目だ。自分の体のことも、自分でちゃんと管理している。陸上部の練習も、学校の授業も、すべて真面目な努力家だ。 「私はいいんだー。太っても。食べたいときに、食べたいもの食べなきゃ!」  そう言って、投げ出した足をぶらぶらさせながら、もう一口アイスをかじる。氷の塊が砕けて、口の中にキーンと広がる。 「つめたーっ」 「お前……うまそうに食うなぁ」  私の隣で高嶺が苦笑いしている。 「高嶺も食べる?」  すっと腕を伸ばして、高嶺にアイスを差し出した。高嶺は一瞬動きを止めたあと、ぽつりとつぶやく。 「いらない」 「そう?」  私は前を向いてアイスをかじる。そんな私に高嶺が言う。
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