17歳・2

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 一日目のテストが終わったあと、帰り支度をしている私に声がかかった。同じ陸上部の綾瀬(あやせ)千佳(ちか)だ。 「ねぇ莉子、知ってる? 市井センパイと明日香、付き合うことになったんだって!」  隣のクラスのくせに、千佳はまるでうちのクラスのメンバーのように、普通に教室に入り込み馴染んでいる。そしてテスト期間中でもまったく空気を読まない。周りのみんなが、今日のテストどうだった? などと話している中、千佳はいつも通りの恋愛スクープをぶつけてくる。  そんな千佳にあきれかえることもあるけれど、それでもいま一番の親友は千佳だった。  千佳とはじめて会ったのは、一年生の教室。入学当初、同じ中学出身の子がクラスにほとんどいなくてあせっていた私に、明るく声をかけてくれたのが千佳だった。聞けば千佳も中学から陸上をやっていたそうで、一緒に部活に入部して、それからずっと一緒にいる。
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