17歳・2

4/6
前へ
/237ページ
次へ
「明日香のほうかな?」  千佳に答える。 「ブッブー! なんと市井センパイからの告白でしたー!」  生き生きした顔の千佳の前で、私は苦笑いをする。 「そんなことより、千佳も早く彼氏作りなよ」 「うーん。なかなかいい人いないんだもん。ほら、私ってけっこう理想高いじゃん? 莉子には高嶺っちがいるからいいけど」  なんでそこに高嶺が出てくる? 「高嶺は幼なじみだよ?」 「そう思ってるのは莉子だけでしょ?」  私は廊下で立ち止まる。振り向いた千佳が私を見て、にやりと笑う。 「高嶺だってそう思ってるよ」 「いやいや、高嶺っちは違うって」  そして人差し指をぴんっと立て、私のことを指さす。 「高嶺っちは莉子のことが好きだと、私はみてる」  私は思いきり首を横に振る。 「いや、それないから。私と高嶺がそんな雰囲気になったこと、一度もないもん」 「莉子は鈍感だから気づかないだけ。少しは高嶺っちの気持ちも考えてあげなよ」  高嶺の気持ちって……? 考えたこともない。
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加