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千佳と靴を履き替え外へ出た。真上に上がった太陽は、今日も夏のように輝いている。
少し歩くと自転車置き場が見えてきた。耳にイヤホンをつけ、暇そうにスマホをいじっている高嶺がいた。
「じゃあ私はここで」
千佳が意味ありげに笑って、私に手を振る。徒歩通学の千佳とは、いつもここで別れるのだ。
「うん。また」
私も千佳に手を振ると、自転車置き場にいる高嶺に駆け寄った。
「おまたせ」
「……ん」
高嶺がイヤホンを耳からはずす。いつもの高嶺なのに、千佳があんなことを言うから、なんだか変に意識してしまう。
「な、なんの曲聴いてたの?」
「曲じゃない。英語のリスニング問題」
「さすが、高嶺」
「いや、普通だろ。明日英語のテストだし」
高嶺がカシャンっと音を立て、自転車を取り出す。私も急いで、自分の自転車に手をかける。
そのとき――
高嶺の向こうに、男子生徒の姿が見えた。この前の茶髪の子だ。女の子がその子の肩をぽんっと叩いて、「また今度ね」と言って去って行く。
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