17歳・3

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 ひかりやでアイスを買い、自転車を押して道路を渡る。道の端に三台の自転車を停め、堤防の上にのぼった。  目の前に広がる海は、今日も青く輝いている。  高嶺が腰かけ、私が隣に座る。少し遅れてのぼってきた凪が、その横に座った。 「あっちー。早くアイス食お」  私の隣で袋を破り、凪が空色のアイスをかじる。私の大好きなソーダ味のアイスだ。シャリっと氷の砕ける音が、すぐ近くで聞こえる。  凪をここへ誘ったのは高嶺だった。凪は「いいよ」と言ってついてきた。私たちが凪に会うのは、五年ぶり。私よりも低かった身長が、この五年間で高嶺の身長に追いついていて、凪のはずなのに凪じゃないみたいだった。 「凪、お前さぁ、いつ戻ってきたんだよ」  反対側の隣から、高嶺のため息まじりの声がする。 「春休み。今月からまた、親父がこっちで働くことになったから」  凪がシャクシャクアイスを食べながら答える。高嶺のことは全然見ていない。私はそんな凪から視線をはずしてつぶやく。 「戻ってきたなら、連絡くらいしてよね」 「だって俺、莉子のケータイ番号知らないし」 「当たり前でしょ! そんなの教えてないんだから。家に電話すればいいじゃん!」  そこまで言ってはっと気づく。そうだ、お母さんにも教えてあげなきゃ。  凪たちが引っ越したばかりの頃、お母さん同士で連絡を取り合っていたそうだけど、途中でおばさんからの返事が突然途絶えた。メールも電話も通じなくなっちゃって、うちのお母さんは心配していたんだ。  私はスマホを取り出した。
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