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「この前言ったこと、まだ気変わってない?」
彼はきょとんと私を見下ろしていたけれど
「ええ」
と笑った。
「そんなすぐ気変わるわけないでしょ。今すぐじゃしつこくて嫌われそうだから、また改めて連絡しようと思ってましたよ」
「そっか。……あのさ」
「はい?」
「……それなら、あんたが落ち着いた頃、顔見に行くよ。観光がてら」
「……え?」
「ついでだから。あんたのためにわざわざじゃないから」
「十分です。その約束あったら、頑張れます」
嬉しそうに彼は言う。
「そしたら、その頃はもう梅雨も明けて傘も要らないだろうから、二人で遊びに行きましょうよ。USJとか」
「……自分たちが物珍しく見られそうな」
「でも俺連れてるといいことありますよ。前見えなかったら肩車するし、あと頭ひとつ分出てるから、探すの楽ですよ」
想像して思わず笑ってしまった。
「そうだね。……あ。じゃあ、急ぐんじゃないの?会社」
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