3/3
222人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「ああ。それなら覚えてる。でもあれは、社交辞令的なものかと思ってた。今度行きましょうみたいな」 「いくら本気でも、いきなりガチな店誘ったら綾瀬さん警戒して引くでしょう」 「……だったら行けば良かった。ラーメン好きだし」 「今度行きましょうよ。僕がこっちに居る間に」  私は答えなかった。  視線の先、傘の先端からぽたりと雫が落ちる。 「……僕と居ても、つまらないですか?」 「ううん。面白いよ。次に何言い出すのか分からなくて、飽きない」  彼は笑った。 「それ、褒められてるんですか?」 「そのつもりだけど」 「……次の角、右に曲がってすぐのところです」    
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!