222人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「ああ。それなら覚えてる。でもあれは、社交辞令的なものかと思ってた。今度行きましょうみたいな」
「いくら本気でも、いきなりガチな店誘ったら綾瀬さん警戒して引くでしょう」
「……だったら行けば良かった。ラーメン好きだし」
「今度行きましょうよ。僕がこっちに居る間に」
私は答えなかった。
視線の先、傘の先端からぽたりと雫が落ちる。
「……僕と居ても、つまらないですか?」
「ううん。面白いよ。次に何言い出すのか分からなくて、飽きない」
彼は笑った。
「それ、褒められてるんですか?」
「そのつもりだけど」
「……次の角、右に曲がってすぐのところです」
最初のコメントを投稿しよう!