再会

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「ご、ごめんな。誰だって悩みはある」 Aは触れてはならぬ部分に立ち入った罪を謝った。 「構わないさ。お前の悩みを聞こうか」 Bは重い口をようやく開いた。 「な、悩みって……」 Aは目を白黒させた。 眼球がないから超新星爆発とブラックホールの点滅で代用した 「俺のことは気にするな。宇宙は広い」 Bは懐の大きい男だった。Aの謝罪を受け入れてサラッと水惑星に流した。 「言えよ。友達じゃないか」 「あっ、じ、実は」 Aはしどろもどろに家庭(うちゅう)の悩み事を話し始めた。 「実はいくつか文明が開化して宗教が興ったんだ」 「ほうほう?」 「それで、全知全能の創造主と全てを滅ぼす悪が対立してて困ってる」 「神様について詳しく説明してくれ」 「無から何でも生み出すスーパー神様だよ」 「何でも?」 「創れないものは何もないよ。だって造物主だからね」 「ほう、じゃあ、悪というのは?」 「冥界の主にして絶対虚無の死を司る必要悪さ」 そこまで聞いてBはじっと考え込んだ。 腕組みするために渦状銀河をこしらえる。星々がぐるぐると渦巻いて長さ6万光年ほどの腕が絡み合った。 「どう思う?」 宇宙Aはそんな旧友のしぐさを心配そうに見守っていた。 「そうだ!」 とつじょ、Bの宇宙に超新星が炸裂した。     
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