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「何か閃いたかい?!」
期待に夜空を染めるA。
Bはおもむろに言った。
「じゃあ、その神様と悪魔を対決させたらどうなるんだ?」
彼の意地悪な提案にAの顔は強張った。
と言っても、引きつる顔がないので代わりに適当な惑星を選んで全球凍結させた。
びょうびょうと猛吹雪が吹き荒れる。先住民たちは表情を引きつらせる。
「どうだ、明暗だろ?」
Bはリアクションを促す。Aの親友だと言いながらどうしてイケズな仕打ちをするのだろう。
実は彼は一千億年前に誕生してから今まで一度もビッグバンを迎えたことがなかった。
一般的な宇宙論によればビッグバンは空間のゆらぎから生じたという。
実はそれだけでなく近隣の宇宙と衝突することによって起きる可能性もあるらしい。
Bはそのような出会いの奇跡に恵まれることもなく今日まで過ごしてきた。
孤独を友としてこそ真の男だ。他人に依存せず、ゴーイングマイウェイで何でもバリバリとやり遂げる。
それがかっこいい男の生きざまだ。
Bは男らしい宇宙像を実践してきた。
だが、彼はもう若くなかった。
そんな強がりで自分を誤魔化せる間はエネルギーが満ちあふれていた。
宇宙としての寿命が近づくにつれ、Bは老いというものをいやおうなしに実感した。
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