白い洗濯物

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白い洗濯物

「うわぁー、やっちゃったなぁ。」 ご主人がそう言っているのが聞こえた。 私はまったり食事中。お皿を洗っていた奥さんは水道を止め、ご主人のそばへと寄っていった。 「まささん、どうしたの?」 「これ、これこれ。この黄ばみ見てくれよ」 食事の皿からは離れずに、ご主人たちの方を覗き見れば、 どうやらご主人のワイシャツの話をしているらしい。 ご主人の職場は、夏と冬で服装が決まっていて、夏になると半袖のワイシャツに変更になる。 えーっと、「くーるびず」だったかしら。 「ありゃー、見事に」 「悪いんだけど、明日洗濯お願いできる?」 「了解!明日晴れるといいんだけどなぁ」 引っ越してきたばかりのご主人たちの荷物は、実は、 まだほとんど段ボールの中に入ってるの。 今度の秋には他の地域に引っ越す可能性が高くて、わざとそうしているみたい。 今日ちょうど、冬物から夏物へ衣替えをしてたんだけど、その最中にワイシャツの現状を発見したみたいね。 まったく、一年前は洗濯物も溜め込んでばかりいたせいよ。
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