3人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
去年の年も暮れた頃、廉子さんの老人ホームを訪れた時、何度も蓮子の"ボーイフレンド"について、話をした。
受験が原因で以前より、時間が取れなくなって不安だし、本当はもっと彼と話したいと思っていること。
高校生になって、母や祖母には恥ずかしくて、なかなか伝えられないのに、廉子さんとは夢中で話した。施設の人に「"ガールズトーク"、いいですねえ」なんて、からかわれて。
遺品の中から、蓮子は廉子さんのノートを受け取った。日記を盗み読むなんて、気が引けたけど、読まれて嫌なものは、すでに処分していると聞いて、安心する。
「蓮子ちゃんは、廉子さんの血の繋がった唯一の女の子でしょう」
と、祖母は理由を教えてくれた。廉子さんはことさら蓮子の来訪を喜んだのは、子どもも孫も、血の繋がりのある子孫は、ほとんど男の子だったからだ。
最初のコメントを投稿しよう!