今昔失恋記

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 去年の年も暮れた頃、廉子さんの老人ホームを訪れた時、何度も蓮子の"ボーイフレンド"について、話をした。  受験が原因で以前より、時間が取れなくなって不安だし、本当はもっと彼と話したいと思っていること。  高校生になって、母や祖母には恥ずかしくて、なかなか伝えられないのに、廉子さんとは夢中で話した。施設の人に「"ガールズトーク"、いいですねえ」なんて、からかわれて。  遺品の中から、蓮子は廉子さんのノートを受け取った。日記を盗み読むなんて、気が引けたけど、読まれて嫌なものは、すでに処分していると聞いて、安心する。 「蓮子ちゃんは、廉子さんの血の繋がった唯一の女の子でしょう」  と、祖母は理由を教えてくれた。廉子さんはことさら蓮子の来訪を喜んだのは、子どもも孫も、血の繋がりのある子孫は、ほとんど男の子だったからだ。
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