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今のは、どういう意味だろう。
君らしくていい――まるで、私のことをよく分かっているかのような言い方だ。
意味を尋ねようとすると、彼が先に口を開く。
「でも、そのパンプスを履くなら雨の日は避けて。それと、氷に気を付けなくちゃね」
「氷?」
にやりとする水樹さんに、あっと反応する。
『フロ―ライト』での一件だ。
私が氷を踏んでパンプスを滑らせ、転びかけたことを、彼はからかったのだ。
「あ、あれはハプニングです。床に氷が落ちてるなんて、めったにないことですし、心配無用です!」
思わずムキになって言い返すと、彼は楽しそうに笑う。
あまりにも明るい表情なので、先ほどの戸惑いを忘れ、一緒に笑ってしまった。
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