記録【1】

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4月7日―― 今日、女と出会った。 昼休み。外出先でのこと。 目の前で彼女が足を滑らせ、転びかけたところを僕が支えた。 昔のドラマにありそうなベタな出会いだが、きっかけなんてこんなものかもしれない。 彼女の名前は春菜。 明るく、優しい響きがする。 容姿は中の上といったところか。大学時代の彼女に少し似ている。 やや地味だが、それなりに魅力的だ。 嫌いではない。 何よりレザーソールのパンプスに好感を持った。ハーフラバーを付けないのがこだわりらしい。それが原因で足を滑らせたのに、愚かなことだ。 だが、芯は通っている。 らしさを持つ人間は好きだ。 彼女なら、愛することができるかもしれない。 できるか、できないか、試してみよう。 どんな結果になろうと、得るものがあるはずだ。 パンプスを修理するという口実で、誘った。 彼女はいい材料になってくれるだろう。 明日からの生活が楽しみだ。
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