八咫烏

再会

怒鳴ってる、って言っても過言じゃない。
そんな男たちが、軽く数十人はいる雰囲気だ。

え、ケンカ!?ケンカしてるの!?と思わず足を止めかけたけど、前を歩くハクは一向に躊躇する様子がない。

だから仕方なくあたしも後に続いた。

良く聞けば、別にケンカしてるワケでもないっぽい。
怒鳴ってる人も確かにいるけど、その合間には爆笑してる声も聞こえる。

そして僅かだけど女の子の声も聞こえる。

今よりもっと幼かった頃、父親の会社の忘年会がどこかの料亭で行われた事がある。
それに付いて行ったとき、丁度こんな感じだった事を思い出した。

でも今は忘年会ってシーズンじゃないし、なら一体この騒ぎは何なんだろう……なんて思ってたら、見覚えのある扉を見つけた。