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だからどうにかハクの方へと顔を向けると、思ってたより近くにハクの顔があって驚いた。
ソウと同じ顔のハクなのに、ソウとは違って笑ってない。
微かに眉を寄せるハクは明らかに怒ってる。
「放して」って目で訴えてみたら、ちょっとの間あたしを見つめたハクがゆっくりと力を抜いて行くのがわかった。
感情がダダ漏れだとこういう時に便利なのかもしれない。
視線を逸らしたいのに、ハクが逸らそうとしないからあたしたちは見つめ合ったままだった。
口元を覆っていた手は徐々に離れて行ったけど、腕は肩に回されたままで。
だからヤケに至近距離であたしたちは見つめ合っていた。
そうなるともう、先に視線を逸らした方が負けみたいになるんじゃないかと意地でも見つめてしまう。
でも一層ハクの眉間の皺が深くなって行くのを感じたあたしは、とりあえず「ごめん」と謝ってみた。
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