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「なぁ。前から思ってたんだけど髪、綺麗だよな。俺と付き合ってくんない?」
―――高校生活も、ようやく2年目。
そろそろ夏になろうかという頃、まさか髪が理由で告白されるなんて思ってもみなかった。
丁度下校時刻で、正に正門から出ようとしてた時だった。
いきなり後ろから、そう声を掛けられた。
「いや、マジで前から気になってたんだよ。すんげェ髪綺麗だから。その髪やたら目立ってるから。ちょっと触って良い?あ、やっぱダメ?んじゃ名前教えてよ。名前、何?なぁ、マジ俺と付き合ってくんない?」
やたら馴れ馴れしいその男は、漆黒の髪に漆黒の学ラン。
‘カラス’だった。
カラスの内の、その1羽だった。
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